« 2006年5月 | トップページ | 2006年7月 »

2006年6月の10件の記事

バンクーバーでサヨナラ逆転満塁ホームラン

カナダこぼれ話 バンクーバーでサヨナラ逆転満塁ホームラン

 

 大学の同級会のカナダ旅行、参加者は60代の夫婦10組。「バンフ スプリングス ホテル」のオーバーブッキングでえらい目にあった。(18年5月21日参照)

最後はバンクーバーである。

2_2

 現地でのクレームはできるだけ、現地で解決し決して日本へ持ち帰らないのが、添乗員としての役目である。日本に帰ると小さなクレームが、日本旅行業協会JATAや消費者相談室などに持ち込まれ、大きな問題となる。(時には訴訟になる)そこで添乗員の力量が試されるといっても過言ではあるまい。

 なんとか起死回生をはかろうと必死で考えた。

そこで思いつく。バンクーバーは、今回のカナダツアーの最終目的地である。「サヨナラパーティー」を日本食レストランで予定していた。メニューは寿司、天ぷらなどの和食アラカルトでバジェット(予算)は日本円で4・5,000円ある。20名で10万だ。思い出に残る旅をつくろう。「終わりよければすべてよし」の発想。ハーバークルーズの船をチャーターして、寿司職人を船に乗せ、食べ放題にする。

 現地受入の代理店にきくと、50万で貸切・食べ放題の寿司クルーズができる。

「それではみなさん、今回はバンフでご迷惑をかけたお侘びとしまして、今夜のサヨナラパーティは、私の一存で、ハーバークルーズ、寿司食べ放題とさせていただきます。誠に申し訳ございませんが、飲み物は個人会計とさせていただきます」

 寿司職人が二人、お客様のリクエストに答えて、お好みで握る。お運びの日本人の女の子も二人。これは大好評であった。幹事さんが、いったいいくらかかるんだ?と訊く。だいたい50万ですね。でもご迷惑かけましたから・・・。

 参加者は60代の夫婦10組、ご主人たちが、「これではかえって迷惑をかけるから」と、カンパしてくれた。20万集まった。それほど損はしない。しかも酒代は別だ。

 お客様へは、誠意を尽くせば必ず、通じる。ヘタな小細工ではなく、やるなら徹底的に・・・というのが私の心情だ。帰国後、写真交換会の席上で参加者のみなさんから、添乗員である私は、お礼にと目覚まし時計をいただいた。失敗や問題も出てきてあたり前である。しかし、そこでいかに攻めるか、それがポイントだと思う。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

オックスフォードの30名の学生たち

イギリスこぼれ話 オックスフォードの30名の学生たち

 

オックスフォード駅前のホテル。外食をして部屋に戻ると電話が鳴った。学生たちがホームステイをしている、1軒のホストマザーからだった。30人の学生は、それぞれ学校の近くの民家にお世話になっている。その中のK子さんのステイ先である。

(原文は英語)

「すみません、夜分に。わが家に泊っているK子のことなんだけど・・・」

「はい。K子さんですね。私がエスコートの、『たろべえ』ですが、何かありましたか?」

「実はK子はとてもシャイで、家族ともほとんど口をきかないし、夕食のあともすぐ部屋にこもってしまうの。気にくわないことでもあるんじゃないかって、心配なのよ。あなたから彼女に訊いてほしいの。」

 まず、K子さんを電話口に呼び出して、事情を尋ねる。だが、たとえ日本語で私と話しをしていても、ホストマザーの手前、なんだか本音を言おうとしない。そこで翌日のお昼を彼女と食べる約束をして、とりあえず電話を切った。

 Gal14

 学校は、キングス・スクールという。オックスフォードの中心からは、バスで15分、駅からは20分ほどかかる、テンプルコーリーという、住宅地にある。K子さんを学校から誘い出し、近くのショッピングセンターにある中華料理屋に行った。

チャーハンや酢豚にマーボー豆腐など、安くてうまい。彼女もバクバク食べる。

「何か悩みでもあるの?もしいまのステイ先に不都合があれば、学校におねがいしてホームステイ先を変更することもできるよ。」

「実は、最初の夜に付合せで出たフライド・ポテト(フレンチフライ)がおいしかったんで、『おいしい、おいしい』って言ったんです。そしたら、それから朝食と夕食に毎回、山盛りのポテトが出るので、まいっちゃった。食べ残すのもママに悪くて。」

 それから私は、ポテト・ママに電話を入れた。K子は典型的な慎み深い日本人で、あなたを傷つけたくないので、ポテトを残せなかったけれど、さすがに3日も朝夕、出ると飽きてしまうのです。などと、気をつかいながら話した。そうしたら、ポテトおばさん、カッカと大笑い。翌日からじゃがいも料理は出なくなったそうだ。

※「食事」は大切です。自分の意志をはっきり伝えることは、ことに外国では大事なことです。(写真はKings School Oxford のHPより)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

何をたべればいいのだろう?イギリスで

イギリスこぼれ話 何をたべればいいのだろう?イギリスで

 Vfsh0051_1 

食事にはあまり期待できないと、悪評判のイギリスで、(イングリッシュ・ブレックファーストの)朝食は、たらふくとってみても、お昼過ぎには、おなかもすく。夕食も食べたい。

 オックスフォードの30名の学生たちは、郊外の「キングススクール」に缶詰なので、昼食は学校の食堂のサンドイッチを食べるしかない。(中には気の効いたホストがいてサンドイッチをお弁当に持たせてくれる)私は、添乗員なので、朝、学校に顔を出し、学生さんの顔色を見て、各クラスの授業(語学レベルにより、3クラスに編成)をのぞく。事務室(学生課)に顔を出し、学生さんは普通にやっているかどうか、ホストファミリーに問題はないか、などを尋ねる。とくに問題がなければ、別段、午後まで学校にいる必要もないので、バスでオックスフォード駅へ。ここから列車で約1時間。ロンドンへ。(ちなみにロンドンへはヴァージン・アトランティック航空がおすすめ)

 日本食である。ピカデリーサーカスあたりの日本食レストランは、そこそこ高い。しかし、しっかりした味でカツ丼もカレーライスもうまい。(さすがに寿司や天ぷら、すきやきなどは高級なので、手がでない)オックスフォードにも日本食の店はあるらしいが・・・。本当は、ロンドンなら中華(チャイニーズ)かインド料理、タイ料理が安くてうまい。大英帝国の植民地時代に名残なのかもしれない。

 遅めの昼食をとって、毎日、美術館めぐりをした。なにしろ、ナショナルギャラリーも大英博物館も見所はたっぷりだ。しかも入館料はかからない。

(ヨーロッパ美術館めぐりについては、後日、ネタにします。)

夕食もロンドンで済ませて、オックスフォードへ帰る。夜はホテルのパブへ。ビール

(ラガー)をパイントで2杯ほど。もういい気分だ。こんな添乗なら最高だ。何事もおこらなければ最高だ。しかし世の中は、そんなに甘くはなかった。

(この続きは次回へ)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

まともなイギリスの朝食

イギリスこぼれ話 まともなイギリスの朝食

 食事にはあまり期待できないと、悪評判のイギリスで、朝食だけは評価が高い。イングリッシュ・ブレックスファーストという。

 Londonimage

メニューは、パン、ベーコン、ソーセージ(日本でいう、ウインナー)、目玉焼き、マッシュルーム炒め、焼きトマトに豆のトマト煮。パンは、油で揚げたフライド・ブレッドか三角形に切った薄めのトーストだ。もちろん紅茶かコーヒーがつく。オレンジジュースも。これだけで十分なボリュームだ。

 オックスフォードへ30名の学生を連れて、語学研修に行った。1週間、現地の英語学校へ通う。学生たちは、ホームステイだが、添乗員は駅前のホテルに滞在した。まるまる1週間、このイングリッシュ・ブレックファーストを食べた。とくに飽きることもない。デラックスホテルではないので、新鮮な野菜サラダやフルーツはない。コーンフレークなどのシリアルは、別のテーブルに牛乳と共に置いてあり、セルフサービスである。ヨーグルトもあった。

一般のイギリス人家庭の朝食は、どうなのかと、ホームステイの学生にきいてみると、さすがにホテルのようなものは出ないが、おおむね、目玉焼き、ベーコン、(焼きトマトは出ない)豆トマト煮(ベイクド・ビーンズ)、トーストが定番。

もちろん家庭によっては、シリアルと紅茶しかないところもある。また、タマゴも目玉焼きのほか、スクランブルもリクエストに応じる家庭もある。いずれにせよ、本格的なイングリッシュ・ブレックスファーストは、ホテルかB&B(ベッドと朝食付き民宿)に宿泊しないと経験できないのかもしれない。

Englisfbrk_1

通常、ヨーロッパの食事は、昼と夜に重きを置くため、「コンチネンタル・ブレックファースト」といって軽い。パンにバターかジャムにコーヒー・紅茶、ジュースといった感じ。だから、おなかがすく。もちろん、日本人のツアーでは、玉子料理とハム・ソーセージのつく「アメリカン・ブレックファースト」やブッフェ(バイキング)スタイルの朝食にアレンジしている会社も多い。

ところで、オックスフォードのビジネスホテルの朝食だが、毎日、コーヒーも飽きるので、3日目に「紅茶」にした。やはりおいしい。かなり濃い目に入れた紅茶なので、薄め用のお湯のポットがついてくる。これならガボガボ飲めるはずだ。

しかし、豆はまだ許せるが、なぜ「焼きトマト」なのだろうか。あんまり新鮮ではないということなのだろうか。絶対トマトは、なまで食べた方がおいしいと思う。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

ホノルル空港でいきなり添乗員、マウイ島4泊(その2)

ハワイこぼれ話6 ホノルル空港でいきなり添乗員、マウイ島4泊(その2)

『お客さんがやって来た』

 ホノルル空港に、招待旅行の20名が到着した。ほとんどが年配の販売店のオーナーさん、社長さんだ。女性も3名程。オーガーナイザー(主催者)の住宅設備会社の営業部長さんがリーダーだ。(空港で名刺を交換した)事情を話し、自己紹介をして

これからマウイ島へご一緒します、と挨拶。

アロハ航空で一路マウイ・カフルイ空港へ。チャーターバスで、まずはマウイ島内観光。といっても約2時間でイアオ渓谷、ラハイナの町を見学し、途中、昼食(カアナパリ)をはさんでサトウキビ列車に乗る。さらにバスで30分、いよいよワイレア・リゾート地区へ。

Photo_22

「ザ・フェアモント・ケア ラニ・マウイ」は、“白い天国(ケア ラニ)”そのままに白を基調にした、ステキなホテルだ。部屋はすべてが、ベッドルームとリビングが別々にある「スィートタイプ」である。4泊滞在で3回ゴルフがある。朝食と夕食付き(ミールクーポン食券対応)だ。ゴルフも「ワイレア・ゴルフ・クラブ」という、全米でもゴルフマガジン誌やゴルフダイジェスト誌で世界のリゾートゴルフコース上位にランクする名門でプレイする。エメラルド、ブルー、ゴールドコースの3つは、花が咲き、海を眺めてラウンドする。とくにエメラルドコースのスタート1番は海に向かって打ちおろす、最高に気分のよいものだ。ホテルからは、シャトルで、すぐ近い。

添乗員としての仕事は、ホテルのチェックインとゴルフ場のアシストだから、お客様がゴルフを始めると、もうやることがない。しかし、急な添乗のため、水着もない。それより、下着や着替えをかわなくっちゃ。

ホテルの売店へ行く。さすがに高級ホテルだけあり、アロハシャツもティーシャツも日本のデパートなみだ。それでも120ドルのアロハと40ドルのロゴ入りティーシャツを購入。昼間から部屋へ戻り、シャワーとお風呂だ。ここケアラニのバスルームは、大理石。しかもバスタブは西洋式とは異なり、かなり深い。気持がよい。極楽ごくらく・・・だから肩までお湯につかう。白い天国(ケア ラニ)。ついでに洗濯だ。

最高の休日だと思ったのは間違い。お客様がゴルフから帰ると、「マッサージおねがいします」とか「ラハイナに買い物に行きたいから、車よんで」とか「部屋のシャンプーが切れたから新しいのがほしい」などなど・・・注文が・・・・。

一番すばらしいリクエストは、住宅設備会社の営業部長。「悪いけど、今夜、バーベーキューやりたいから準備頼むよ」だった。それから車を呼んで、大きなスーパーへ行き、肉やら野菜やら、飲み物を買う。もちろん、ホテルの敷地内でおこなうため、ホテルに場所と警備員と道具の手配も完了。バーベキュー・パーティーでは、肉を焼く係りに仰せつかる。なんとか盛り上がって終了。

クタクタに疲れて部屋に戻る。深いバスタブに入る。ついウトウトしてしまう。やっぱり天国だった。だからすばらしいホテルなのに、バスタブのことしか思い出せない。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ホノルル空港でいきなり添乗員、マウイ島4泊

ハワイこぼれ話 ホノルル空港でいきなり添乗員、マウイ島4泊

Photo_20

 ハワイに駐在していたときの話。その日も早朝から、空港の団体出口でスタンバイしていた。いきなり無線が呼ぶ。今日は日本から大事な団体(招待旅行)が来るのでホノルル空港で出迎えて、アロハ航空のマウイ便へ「トランスファー」(乗り継ぎ)のアシストをする。

ワイキキの本社、GMからの指示が飛んできた。

「たろべえさん、申し訳ないけど、今日のVIPツアーのTC(添乗員さん)が急に来れなくなって、お客さんだけ20名くることになりました。招待旅行だから、代わりにマウイ島までエスコートしてもらえる?」

「えっ?TCなしじゃあ、だめなんですか?それより添乗員どうしたんですか?」

「なんか、TCのお父さんが出発前に病気で亡くなったようで、成田の集合場所で連絡を受けて、すぐ帰ったそうなの。人の手当てもつかないし、お客さん納得の上で出発したみたい。だけどマウイはじめての人ばっかりだから、ホノルルからでも添乗員をつけてくれって。」

「すみませんが、添乗は平気だけど、着替えとか持ってないし・・・」

「着替えなら買っていいから。ティーシャツ2、3枚ね。それにたろべえさん、どうせ単身赴任なんだから、ごはんも3食付きで助かるわよ」

GM(ジェネラルマネージャー)は、日系人女性。ずいぶん人生を簡単に考える人だ。

もちろん、ホノルルに単身赴任なわけで、一人住まいのコンドに帰っても、ことさら楽しみがあるわけではないし、食事の心配もいらないし、まっ、いいか!ってな調子で引き受けた。ハワイ(アメリカ)では、多額な現金は、持ち歩かない。クレジットカードや自分用の小切手(パーソナル・チェック)を持っているので、添乗のときの団費(予備金)には困らない。バウチャー(宿泊確認クーポン)も先にホテルに送付済みだ。

 マウイのホテルは、島の南西、人気のあるワイレア地区、高級リゾートにある。以前に研修でホテル・インスペクション(見学)をしたことがあるので、心配もない。

 ホノルル空港に、招待旅行の20名様まもなく到着。もちろん、はじめてお会いする。住宅設備会社が販売店を招待するツアーだ。目的はマウイ滞在4泊の内、ゴルフを3回。ホノルルに1泊して計5泊7日に日程だ。ホテルはフェアモント・ケアラニ。白を基調にしたデラックスホテルのお泊り。さてさて、どうなるのやら・・・(続く)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

トロイの遺跡・木馬と和式水洗トイレ

トルコこぼれ話1 トロイの遺跡・木馬と和式水洗トイレ

 Photo_19

 トルコは、カッパドキアやイスタンブールなど見所はたくさんある。印象的なのはトロイ(トロヤ)の遺跡だ。発見したのは、シュリーマンだ。中学生の頃、わくわくして読んだ本に『古代への情熱』という、ドイツ人・シュリーマンの伝記があった。紀元前800年頃、ギリシャの詩人ホメロス(ホーマー)作の叙事詩「イリアス」、「オデッセイ(オデュセイア)」に出てきた神話の世界にあこがれ、ついには自分で発掘までしてしまった人物である。

 

トロイの遺跡公園でひときわ目を引くのが木馬。1974年に復元されたものだが、実際に中に入ることができる。

スパルタ(ギリシャ)軍とトロイ軍の戦いので、退却して置き去りにされたスパルタの大きな木馬を、トロイ軍は戦利品として、城内へ運んだ。戦争に勝ったと思ったトロイ軍、飲めや歌えの大騒ぎ。兵士や市民が寝静まると木馬の中から、そろりそろりと隠れていた50名のスパルタ軍兵士が出現。火を放ち援軍を城内に引き入れて大勝利。・・・そんなストリーに魅せられ、シュリーマンは貿易商で財をなし、私財を投じて1870年頃、発掘を開始、「トロイの遺跡」を発見したそうだ。

 しかし近代、体系的な発掘調査で、トロイの町の遺構は、紀元前3,000年からAD

(紀元後)400~500年頃の9つの時代(層)に分かれており、シュリーマンがトロイ戦争の遺跡と考えたのは、実際、第2都市(ローマ時代BC2,500年頃)のものだった。トロイ戦争の頃の遺跡は、第6都市(BC1,800~1,250年頃)であった。

 このシュリーマン、本当は金銀財宝目当ての発掘だったという、説もある。また彼は、語学を習得する才能に恵まれており、生涯に何ヶ国語も身につけたそうだが、それはそれで、商売のために必要だったことだろうし、また、日本人と違ってドイツ人が、ギリシャ語・ラテン語や他のヨーロッパの言語を学びやすいのでは、ないだろうか。

 ところでトロイの遺跡公園で公衆トイレに入った。驚いた。和式の水洗トイレだ。

便器は平らだ。日本とは逆にドアに向かってしゃがむ。やっぱり、トルコはアジアのはじまりなのだろうか。調べてみると、典型的なトルコのトイレの形だった。

(参考トルコのトイレ事情)

http://www.jp-tr.com/icerik/yasam/tuvalet.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

蘇州のおみやげは、寒山寺の掛軸が常識(その2)

中国こぼれ話2 蘇州のおみやげは、寒山寺の掛軸が常識(その2)Fukyoyahaku

 

 寒山寺の『楓橋夜泊(ふうきょうやはく)』(張継作)の石碑。

 月落烏啼霜満天

 江風漁火對愁眠

 姑蘇城外寒山寺        

 夜半鐘聲到客船

張継(ちょうけい)は、唐の時代、713766年の詩人だ。実のところ寒山寺に残る石碑は、1911年清の著名な書家・ユエツ(18211906年)の作である。100年前だからそんなに古いものではない。そうかといって、『楓橋夜泊』の価値が下がるものではない。

 同じように有名なのが、寒山寺の壁に刻まれた『寒山拾得』の拓本である。唐の時代に二人の奇僧がいた。一人は寺の名前にもなった寒山で、もう一人は拾得(じっとく)である。身の回りには無頓着。いつも経典を手から離さず持ち歩く寒山とほうきを持ち、寺修行に勤め、ささいなことは意に介せず、カッカカッカと大笑いして、何事も解決してしまう高僧の二人。禅画の題材として、日本でも雪舟をはじめ、多くの文人墨客に愛され、良寛和尚や文豪・森鴎外にも評価されている。

 この拓本をごらんいただきたい。本当にユーモラスな人物像だ。書家の榊莫山先生の寒山拾得画につぎのような記述がある。

寒山「山へ行こうか、川へ行こうか」

拾得「空へ行こうよ」

人生は苦しいことばかり。それぞれの人は、いつも重い重い荷物を背負い、坂道をのぼっていく。クヨクヨするんじゃあない。何事も豪快に笑い飛ばそう。

・・・・と、そんなことを教えてくれる。泰然自若。Kannzanjittoku 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

蘇州のおみやげは、寒山寺の掛軸が常識(その1)

中国こぼれ話2 蘇州のおみやげは、寒山寺の掛軸が常識(その1)

Photo_17  

 上海に泊ったら、ぜひオプショナルツアーで行きたいのが、蘇州。運河で有名な東洋のベニスだ。(どっちかといえば田舎のベニス)見所は、高い斜塔の虎丘、名園・留園、そして年越しの除夜の鐘つきツアーでも知られる「寒山寺」。旅行パンフレット的には「寒山寺の鐘をつくと10年若返るそうです」

しかし寒山寺へ行くと、どうしてもはずせないのが唐の時代・張継(ちょうけい)の漢詩で、『楓橋夜泊(ふうきょうやはく)』の石碑である。

月落ち烏啼いて 霜 天に満つ(つきおち からす ないて しも てんにみつ)

江楓漁火 愁眠に対す(こうふう ぎょか しゅうみんにたいす)

姑蘇城外の寒山寺(こそ じょうがいの かんざんじ)

1_1 夜半の鐘声 客船に到る

やはんのしょうせい かくせんにいたる)

高校の古文(漢文)の教科書にも出てくる有名な漢詩で、役人登用試験に落ち、失望した張継さんが、

「俺、旅に出るぜ」ってな調子で船旅へ。船は蘇州の船着場に停泊。今宵は船中泊だが、なかなか眠れない。思い出すのはくやしいことばかり。デッキに出てみると、月もいなくなり、どこからかカラスの鳴き声がする。それにしても外の空気がやけに冷たい。遠くに紅葉した楓(かえで?もみじ?)と漁師の漁火(いさりび)が目にしみるほどきれいだ。そんなとき、この蘇州の城壁の外にある寒山寺の鐘がきこえてくる。もう真夜中。鐘の音がゴーンと船に響いてきた。「人生はむなしいなあ。」

 と、まったくの私的な解釈。それにしてもこの漢詩の拓本や掛軸は、おみやげとしても一番人気である。買うならお寺の中の売店で購入すべきだ。最近、街中では、石碑を模写した版から拓本をとって売っているらしい。また印刷ものも出回っているとのこと。できれば、拓本を買って、日本の表具屋さんで表装したほうがよい。私は軸にしてもらったが、約6万円。(これでも上中下の下ランク)確かに仕上がりがきれいだ。もちろん、『楓橋夜泊』の軸は、数も多く、鑑定団的な価値はないが、たまに飾ってみると、なんだか落ち着く。

※ちなみに、現在は、寒山寺の売店で上記拓本は、1枚100元(約1,500円)。稚拙な表装をしたものは、300元(約4,500円)とのこと。(現役添乗員の方からご指摘がありました)

 それから寒山寺では、この『楓橋夜泊』と対をなす、『寒山拾得』という、二人の人物を描いた拓本も忘れてはなりません。(そのお話は次回へ)

| | コメント (4) | トラックバック (1)

台湾のヤクルトはで・で・でかい!?

台湾こぼれ話2 台湾のヤクルトはで・で・でかい!?

 Vfsh0328_edited 埼玉県K市のKヤクルト販売さんの招待旅行に添乗して台湾に行ったことがある。社員の方々と営業成績のよい(昔はヤクルトおばさんと言った女性の)販売店さんの招待である。きいてびっくりしたが、「ヤクルト」はいまや世界のヤクルトで、台湾をはじめ、韓国・マレーシア・メキシコ・オーストラリア・オランダ・ベルギー・イギリス・ドイツ・ブラジル・アルゼンチンに進出しているそうだ。

 

 私が台湾で、はじめてヤクルトをみたのは、台中の日月譚(にちげつたん)の売店で、日本のものよりかなりデカイ大きさにおどろき、買ってみて飲んだら、やっぱりヤクルトだったことに驚いた。日本の定番(レギュラー)ヤクルトは、65mlで高さは7.5㎝だ。定価は35円?かな。1本ではもの足りなくて、大人になったら絶対たくさん飲んでやると思ってものだ。一方、台湾では、100 mlでサイズは日本の1.5倍、6元(約20円)。ヤクルトは「養楽多」と表記されている。もちろん、中身も“生きたまま腸内に届くヤクルト菌(L・カゼイ・シロタ)の働きで、おなかの中の良い菌を増やし、悪い菌を減らして、腸内環境を改善しておなかのの健康を守ります”という効能も一緒。(と意訳できるように記載されている)

 台北のスーパーマーケットに入って、さらにびっくりした。なんと、もっと大きなヤクルトが存在した。200 ml(9元30円)もあれば、500 ml(35元120円)もある。ペットボトルくらいの大きさだ。だがしかし、ヤクルトさんの名誉のためにいうと、でかいのは、すべてまがいもの。乳製品らしいが、シロタ株や乳酸菌は、ほとんど含まれてはいない。

Photo_16

 うんちくだが、2006年3月に(日本の)ヤクルト本社が、台湾ヤクルトの株式を取得した。だからどうした、ではないが、ニセモノを排除していってほしい。

 また、ヤクルトには、ウルトラマン一家のように、バリエーションがあるのをご存知だろうか。ヤクルトLT、ヤクルト200、ヤクルト300V、ヤクルト400、ヤクルト80Aceとある。L・カゼイ・シロタ株の数やカロリーの低さ、カルシウム含有などの差がある。

台湾旅行でヤクルトさんにお世話になったので、あえて書かせていただくと、ヤクルト菌は、まちがいなくおなかによい。便通を改善するだけではなく、O-157などの悪い菌を減らしたり、発ガンリスクを減少させたりすることも立証されている。

厚生労働省認定の特定保健用食品(トクホ)にも指定されている。つまり、 

①『身体の調子を整える』などの働きがある成分を加工した食品Vfsh0329_edited_copy

②効果や安全性が動物やヒトなどへの試験で科学的に証明されている

③健康表示(健康への効用を示す表現)を厚生大臣が許可した食品であること。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年5月 | トップページ | 2006年7月 »