« 南仏・エクス・アン・プロヴァンス | トップページ | 志賀高原でてづくりジャムを、その後 »

利尻 礼文島 バスが来ない

Route2

 いまでこそ、離島ブームで「利尻島・礼文島」は、花をめでるハイキングやちょっとしたトレッキングで人気である。あのおぞましい添乗経験を忘れられない。

その頃、小樽を夜9時に出航して、利尻を経由して礼文に翌朝、6時に到着するフェリーがあった。「北海商船フェリー」という。昭和561981)年に就航、残念ながら平成51993)年に廃止されてしまった。24名の団体、某百貨店の友の会の募集ツアーで利尻・礼文へ行く。船中1泊、利尻に1泊のコース。

Photo_29 

羽田→札幌~小樽~(フェリー船中泊)~礼文島・香深港(島内観光)~(フェリー)~沓形港・利尻島(泊)、利尻島(島内観光)~利尻・鴛泊港~(フェリー)~稚内(市内観光)~稚内→空路→羽田

羽田から空路、札幌(千歳)へ飛び、小樽の鰊御殿や北一ガラス工房を見学。寿司屋横丁で昼食をとり、石原裕次郎記念館でゆっくり滞在。年配のお客様だったから大好評である。夕食は、小樽の「北海ホテル」で豪華な海鮮料理をいただく。アルコールも入り、お客様はフェリーに乗る。

乗船前に北海商船のターミナルで

『今日は少し波が高いので揺れますよ。それでも9時間ありますから、礼文に着くころには、天候も良くなりますから』

確かに揺れる。ゆれる。ユレル。横になっていると、ゴロゴロする。とても眠るどころの騒ぎではない。そのうち船酔いするお客様が続出。最初はエチケット袋(ビニール袋)でよかったが、バケツが必要になる。さっき食べた、北海ホテルご自慢の新鮮な刺身や魚介類が逆流してきた。すっかり酔いも冷める。

夜中の2時ころだろうか、うつらうつらしていると、お客様の中の初老の旦那さんが真っ青な顔で起こしにきた。小用を足そうと思うが、出ない。先っぽが痛くて痛くてとてもがまんできない。すぐにでも病院に行きたいとのこと。きけば「尿道結石」にかかったことがあり、久しぶりに飲んだせいか、“息子さん”の具合が悪く、竹の子のように腫れあがっているという。

これは大変だ。すぐに船長室へ。ドンドン、すみません、すみません。白髪あたまの船長さんが、むっくり起きて『どうしたんですか?』

いや、あのー、かくかくしかじか・・・び、び、病院へ・・・・

『お客さん、それは無理ですよ。いますぐ命にかかわることなら、ヘリコプターでも呼べるけど。利尻へ着いたら病院があるから、いま船舶電話で救急車の手配するから』

それから朝まで一睡もせず、苦しむ息子さん、いや旦那さんを看病し、やっと午前4時過ぎ、利尻港着。すぐさま救急車で病院へ。ツアーの目的地は、この日礼文島なので、初老のご夫婦を残し、フェリーに戻る。(あとで連絡をしたら、やはり尿道結石ですぐ手術をし、念のため稚内の専門病院の泌尿器科へ3日間入院して、回復したそうだ)

利尻から礼文は約1時間半。親しくなった船長さんと「やれやれ、海の上の仕事も大変ですね。」などと世間話をした。すぐ礼文島到着。朝の6時を回ったところ。港のすぐ近くのホテルで朝食と入浴休憩である。「礼文ホテル」のウニやイカの朝ごはんは最高だ。しかし、大浴場の湯には、おどろいたことに、緑色のバスクリンが入っていた。お客様は広間で休憩。しばしおやすみタイムだが、添乗員には仕事がある。

現地の宗谷バスに確認である。 

『宗谷バスさんですか。○○トラベルの添乗員ですが、今日の貸切の確認させてください。』 

『添乗員さん、申し訳ないんだけど、バスがまだ、稚内から来てないんですよ。』

 

『違いますよ、24プラス1名で小樽から今朝、フェリーで着いたんですけど。』

 詳しくきくと、梅雨前線の影響で海が荒れて、波が高く、安全性の問題でカーフェリーにバスを積み込めなかったという。(稚内からは東日本海フェリー)もっといえば、礼文島には路線バス用に中型バスが2台。そのほかに観光貸切で2台あるが、島めぐりの定期観光バスに1台使うと、残りが1台となるが、現在故障中で動かない。だから稚内の営業所から1台、都合をつけ、今朝のフェリーでバスを運ぶ算段だったらしい。

『前から頼んであったでしょうに。まっ、出発は9時、礼文ホテルで島内観光ですよ。なんでもいいからバスもってきてください。』

 バスが来た。マイクロバスである。ガイドさんも乗っている。お客様と乗り込む。

『なんだかサカナ臭いね、このバス。』 

『ほんと、なま臭いわね。』

確かにプーンとサカナのにおいがする。それもそのはず、カニの缶詰工場(こうば)の送迎用のマイクロだった。スコトン岬や桃岩など、景色は確かにすばらしかったし、あまり若くないバスガイドさんも親切だった。バスの車内の「におい」だけ除けば・・・。あの頃、ファブリーズがあったらよかったのに。10数年前の7月のことである。

※港の読み方は、礼文島・香深(かふか)港、利尻島・沓形(くつがた)港および、利尻島・鴛泊(おしどまり)港

Photo_28

※《宗谷バス》さんは、決していい加減なバス会社ではありません。これは、ひと昔前の話です。

|

« 南仏・エクス・アン・プロヴァンス | トップページ | 志賀高原でてづくりジャムを、その後 »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

本当に大変ですよ、募集の添乗は。何があってもおかしくない。飛行機が飛ばない、バスが来ない、船が出ない・・・と天候に左右されますね。でも旅行業法上は、天変地異の関することって免責です!!でも強く出れないところが、お客様は神様なのです。同情します。

投稿: 現役添乗員 | 2006年7月24日 (月) 16時49分

 ブログみました。自分も以前 礼文 利尻島へ行ってきました。良かったです。札幌から車中1泊して、稚内からフェリーを利用しましたが、そういえばかつて、小樽からのフェリーがあったことを思い出しました。今思うと便利なフェリーだったように思えました。

投稿: クラ | 2014年6月19日 (木) 00時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/177442/11039173

この記事へのトラックバック一覧です: 利尻 礼文島 バスが来ない :

« 南仏・エクス・アン・プロヴァンス | トップページ | 志賀高原でてづくりジャムを、その後 »