« スイス・サンモリッツ セガンティーニ美術館 | トップページ | アメリカ 孤独な画家 ホッパーに出会う »

ビュールレ・コレクション ルノアール『少女イレーヌ』

西欧美術紀行 スイス ビュールレ・コレクション ルノアール『少女イレーヌ』

スイスのチューリッヒ(ズーリック)市内に、印象派や後期印象派の収集で名をはせた、知る人ぞ知る《ビュールレ美術館》がある。毎週、火・水・金・日曜日の午後2時から5時までしか開館しない美術館だ。正式には、Foundation E.G. Buhrle Collection (ビュールレ・コレクション財団)という。スイスの実業家・ビュールレが個人的に集めた約200点のフランス印象派の作品を中心に展示している。

 展示の仕方に工夫があればなお、よいが、その審美眼(目利き)の鋭さには、おどろく。ルノアール、セザンヌ、ゴッホなど主要な画家の作品が、無造作に壁に掛けられている。Renoirgirl

 やはり秀逸は、オーギュスト・ルノアール〔18411919]の《少女イレーヌ》の肖像画だ。パリの裕福な銀行家・ダンヴェルスの娘・イレーヌは、当時8歳。その横顔はもちろん、詳細に描かれた長い髪が実に美しい。ルノアールは、生活の糧(かて)を得るため、多くの肖像画をかいたが、中でも《少女イレーヌ》は、その最高水準だと思う。イレーヌは、「イレーヌ・カーン・ダンヴェルス」といって、後にサンピエリ伯爵夫人になった人物。なるほど子供というより、品の良さがキャンバスからにじみ出ている。イレーヌの瞳が輝き、口元は何かをささやいているようだ。いっぺんにイレーヌのファンクラブができそうだ。

 実際にビュールレ美術館で、少女イレーヌに対面したが、目の前でまるでイレーヌが生きているようだ。色彩の妙もさることながら、明(光)と暗の使い方(コントラストの工夫)は、ルノアールの円熟した芸術性を如実に物語る作品だ。

 このほか、セザンヌの「赤いチョッキの少年」や「サン・ヴィクトワール山」をはじめ、すばらしい作品群である。たった3時間しか開館時間がないのが、まことに惜しい。

チューリッヒに行くことがあったら、是が非でも訪ねていただきたい美術館だ。

入場料:9スイスフラン(シニア、学生は7スイスフラン)

20名以上の団体の場合、全員で200スイスフランで貸切もできる。

     ビュールレ・コレクション財団 ホームページ(英語も選択できる)

     http://www.buehrle.ch/collection.php?lamg=en

|

« スイス・サンモリッツ セガンティーニ美術館 | トップページ | アメリカ 孤独な画家 ホッパーに出会う »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/177442/11722890

この記事へのトラックバック一覧です: ビュールレ・コレクション ルノアール『少女イレーヌ』:

» スイスフラン [初心者への提言、外国為替FXの基礎知識]
スイスフランは金価格が上昇するときも買われる傾向がある。 [続きを読む]

受信: 2006年9月 6日 (水) 17時57分

« スイス・サンモリッツ セガンティーニ美術館 | トップページ | アメリカ 孤独な画家 ホッパーに出会う »