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《スープは食べるもの》ソバとラーメンはすするもの

 最近は、世界中ほとんどどこへ行っても日本料理レストランがある。とりわけ、ラーメン屋やうどん、ソバを扱う麺類の店もふえてきた。

たとえばパリのオペラ通り界隈の日本食、ラーメン屋さんが何軒もある。中には、東京や大阪の有名店の支店らしきものもある。お客は、日本人観光客や現地で働く日本人ビジネスマンが多いが、時として白人の姿を見かけることもしばしばである。

Soup  驚いたことに、彼らは、器用に箸を使い、麺を音も立てずに食べる。通常、われわれがズルズルと麺をすするという仕草は、とくにフランス人にとっては、この上なく下品なマナーになる。欧米では、汁物(スープ類)は食する時、絶対に音を立ててはならない。

スープは、スプーンのあたまの丸い受け皿部分を、そのまま口の中に押し込んで飲む。決して「すする」ことはしない。ラーメンの場合は、麺をレンゲの上にのせ、口に流し込んでいく。静かに耳をすませば、ズルズルではなく、パクパクと、かすかに麺類を噛む音はする。

 しかしどう考えてもラーメンやソバ、うどんは、ズルズルと食べ、どんぶりのスープは、ズズーっと飲み込んだ方がうまいに決まっている。

 ところで英語では、スープを飲むという表現は、Eat Soup(イート スープ)であって、Drink Soup(ドリンク スープ)ではない。スプーンや(ラーメン屋の)レンゲを口にくわえて音を出さないのは、 Eatの文化なのだ。まして小さい頃から家庭では、音を立てることはマナーとして最悪だと洗脳されているのだ。だからはじめて日本に来て、おそば屋さんに入った欧米人は、ズルズルに驚き、店中を不思議な軽蔑の目線で見回す。そこで案内した日本人が、自分でも麺をすすって、いやいや、これが日本の文化だと教えることになる。Photo_144

 だが待てよ、そうなると最近、自動販売機で売っている缶入り「ポタージュスープ」は、ゴクゴク飲んでいいものなのか。はたまた秋葉原で人気の「おでんの缶詰」の汁も静かに(飲む?)食べるものなのか。

そんなことで悩んでいると、お客さん、スープが冷めますよ。

(イラスト:たろべえ)

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文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

たろべえさん
今回のスープの話はよく耳にすることですけど、おもしろかったです。やっぱラーメンは音をたてなきゃ、うまくないです。それにしてもスープ皿といい、どんぶりといい、なかなかイラストも上手ですね。才能あります。絵をクリックすると拡大されるのでわかりますが、絵をかくのは結構大変なようですね。でもいい出来です。

投稿: 通りすがりの「旅人 | 2007年1月31日 (水) 19時00分

通りすがりの旅人さん、コメント感謝します。

 絵の描き方ですが、「お絵かきソフト」を使います。通常の4倍の画面でマウスを使ってかきます。縮小すると、結構まともなイラストになります。旅人さんのご指摘のようにたとえば、ラーメンの絵だけで30分かかりました。

 イラストはマウスでクリックすると、拡大されますので作成の苦労がわかると思います。

投稿: もりたたろべえ | 2007年2月 1日 (木) 00時23分

たろべえさん、今晩は。

ほんと、たろべえさんのおっしゃるとおり、パリの麺類のお店で食べている白人は、音を立てることはしません。

仲の良かったスウェーデン人と一緒に行った時、「音を出して食べてもいいのよ」と言ったのですが、彼女は音を立てることが出来ませんでした。そうやって、躾けられて育ったんですものね。

フランス語もスープを飲むときは、”食べる(manger)”という動詞を使います。なぜなら、古くはスープは、肉汁に浸したパンのことを指したからなのだそうです。

投稿: Cojico | 2007年2月 1日 (木) 00時36分

すみません、たびたび。

イラストの食器の表現が非常に丁寧で細かいですね。スープの食器の模様など大きくして始めて分かりました。

なるとのぐにゃぐにゃした感じやチャーシューの色の具合もいいです。

投稿: Cojico | 2007年2月 1日 (木) 00時43分

Cojicoさん

コメントありがとうございます。
「フランス語もスープを飲むときは、”食べる(manger)”という動詞を使います。なぜなら、古くはスープは、肉汁に浸したパンのことを指したからなのだそうです。」というのは、大変参考になりました。

 イラストですが、私は水彩だけで油絵はできませんが、イラストは好きです。オイルでもCojicoさんのように描ければ、いいのですが。(油は経験がありません)


投稿: たろべえ | 2007年2月 1日 (木) 00時56分

「すする音」は悪いマナーではない。
October 17, 2008 Toshinaga

「すする音」は欧米での食事のマナーとして、最低だと言われている。私は欧米人との食事をするときに、このことを話題に出して議論する。彼らは子供の時から麺類を食べる機会は少ないので、「すする音」を出す訓練ができていない。最近カップヌードルが欧米でも売られているが、唇を閉じて食べている。
「すする音」をマナーで議論すべきでない。日本人でも西洋カブレの人達が「すする音」が嫌いになっている人がいる。私は「すする音」を出して食べればおいしいからと欧米人に薦めている。それは特に「咽越し」の味覚が重要であると言っている。音をたてて食べないと、「麺と汁と空気」を一気に咽の奥に放り込めない。このことを知らないで麺をすすらずに一生を終わるのは残念である。蕎麦で重要なのは「苦味」である。「苦味」は舌の一番奥で感じるのである。これはビールでも同じである。ビールで比較すればこのことがよりよく理解できる。ビールをおいしく味わっているのは米国人より日本人であることを知っている人は少ない。ビールは本来、西洋から来た飲み物であるが、日本人にピッタリの飲み物である。私も40歳になったある時、コップの冷やされたビールを一気に咽に放り込んだ時、それまでになかった味を感じた。エクスタシーの感覚である。それまでの20年間を損した気分になった。丁度、オナーニーを自然に覚えた時の感覚である。「禁断の味」である。ビールをコップに注がず、ビンか缶の注ぎ口に直接口をつけ、「チビチビ」と口に入れ、体温で温まったビールが咽の奥を通った時と比較すれば、一目瞭然である。米国人は可哀想に、「チビチビ」飲むのでガマンしている。彼らは小さいときから「すする文化」になじんでいないので、「咽越し」の味わい方ができないのである。
また、麺文化の東洋人と、それのない欧米人の食事を比較すると、決定的に違うのは、東洋人は「汁物文化」であり、欧米人は「乾き物文化」である。欧米人の食事の基本は乾いたもの「パン」と飲み物「ミルク、コーラー」を口の中に別々にいれ、口の中で混ぜて味わう文化である。東洋人は口の中に入れる前に混ぜた食べ物を口に入れて味わうのである。欧米人にもスープはあるが、「すする」ことは出来ない。唇を閉じて味わらなければならない。ラーメンは欧米での分類は「スープ」である。欧米人でもマナーを知らない子供がパン、ビスケットをスープか紅茶に浸けて、やわらかくして食べるのは悪いマナーで叱られる。しかし、子供はその方がおいしいのを知っているからそうするのである。
「嚥下操作」はスムースにするには訓練を要する。私は幼少の時、丸薬を水と一緒に飲めなくて苦労した。大人の欧米人でも、麺類を「すすって」食べれない人が多いことを知っておこう。「すする音」を出さないで、麺を小さい単位で口の中に入れで、唇を閉じて、音を出さずに、「クチャクチャ」とまずそうに食べている欧米人を哀れんであげよう。彼らは自身が出来ないので、経験がないので、無知により我々が悪いマナーで食べていると思っている気の毒な人たちである。最近でこそ、生魚の「サシミ」を食べる欧米人も増えてきたが、昔は彼らは絶対に食べなかったのだ。その逆に日本人も牛肉を食べるようになったのは明治以降である。

投稿: 占部聰長 | 2008年10月18日 (土) 03時16分

占部様 コメントありがとうございました。

日本と西洋の食文化の違いについて、具体的かつ実証的なご意見です。ビールの飲み方は、確かにわかるような気がします。また「麺」も文化が違いますね。

 私も外国の方と「そば」や「うどん」、「ラーメン」を食べる時には、音を出して、のどですする技術を説明しています。しかし彼らは、それでもほとんど音を出さすに食べています。おそらく、箸の使い方よりも困難なようです。

投稿: もりたたろべえ | 2008年10月19日 (日) 00時31分

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