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《山本勘助》に出会う 「信濃路の風林火山」山本勘助とその舞台(信濃毎日新聞社)書評

 このブログでもたびたび「風林火山」あるいは「山本勘助」関連の書物を紹介してきた。先日、長野で購入した1冊は、至極の出来である。現地にしっかり根をおろす、信濃毎日新聞社の本である。《信濃路の風林火山》というタイトルだ。1,260円。中身は、長野県内の信玄および勘助ゆかりの地の丹念な取材に裏打ちされている。諏訪、上伊那、佐久、小諸そして上田。松本、安曇、木曽ときて、川中島で締めくくる関連史跡の紹介がおもな内容だが、他書にはない詳しい現地の紹介は、すばらしい。Photo_161

 とくに「あとがき」で“ロマンを秘めた人物――山本勘助は何者であったか?”は印象深い。少し長くなるが、この本の本質をついているので引用する。

 

歴史的には謎の人物とされる勘助。(略)江戸時代には有名なヒーローだった。多くの軍記ものにも登場し、伝説も生まれた。(中略)

 『甲陽軍鑑』に描かれる勘助の活躍は、ただ一人の人物に集中される話というより、多くの武将たちの生きざま、活動を集約したような印象を受ける。たくさんの勘助的な人物がいて、武田信玄を支えていた、その代表格として勘助という人物が描かれた、と解釈することも可能である。

 山本勘助は、戦国時代に生きたさまざまな人々に光を当てる、そんなヒントを与えてくれる人物だったのではあるまいか。武田信玄という実在した英雄の活躍を太い縦軸にして、無名の人々が織りなす歴史全体について、不思議なロマンを感じてもらえれば幸いである。(金子万平)

 金子さんの書いてあるとおりだと思う。山本勘助は、確かに平和な江戸時代につくられた英雄だったかもしれない。史実の裏付けが少ないかもしれないけれど、こんなユニークな人物がいても、まったく不思議はない。むしろ太平天国であった江戸の時代には、一見、風貌も悪い、破天荒な勘助的人物が登場する待望論があったのではないか。

 

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