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《ジョン万次郎あれこれ1》ジョン万次郎の英語学習法

土佐が生んだ偉大な国際人、ジョン万次郎にスポットを当てるシリーズ、その1。

 幕末、土佐中ノ浜(高知県土佐清水市)の漁師の子どもに生まれたジョン万次郎(中浜万次郎)は、14歳の時にはじめて漁にでたが、悪天候により、海流に流され無人島に漂着。アメリカの捕鯨船に救われ、ハワイを経てアメリカ本土に渡った。その後、船長ホイットフィールドの保護を受け、現地で教育を受け、捕鯨術や航海術、測量法などを身につけ、帰国した。Kanrinmarutosashimizu

 帰国後、土佐藩の武士となり、やがて幕府の直参に出世、外国通信の翻訳や軍艦操練所の教授として活躍した。さらに日本ではじめての遣米使節団の通訳として、咸臨丸で再渡米、帰国してからは江戸で英語をはじめ、航海術などを教えたという。

 ジョン万次郎は、アメリカに渡るまで、日本では学問を受けたわけではなく、むしろアメリカで英語を覚えた。万次郎の残した「単語集」には、カタカナ表記で、興味深い数々の英単語がある。(参考:山川学而『英語と日本語のふしぎな関係 ジョン・万次郎の英語』)カッコ内が万次郎の発音。

night   夜(ナイ)

morning 朝(モヲネン)

evening 宵(イヴネン)

winter  冬(ウィンダ)

cold   寒い(コヲル)

west   西(ウエシツ)

gate   門(ゲイ)

net    網(ネ)

Sunday  日曜日(サンレイ 三例)

New York (ニュウヨウ 入用)

 私はハワイで暮らしたことがあるが、現地の発音はまさに万次郎の表記そのものである。たとえば、「おやすみなさい」は「グッド・ナイト」ではなく『グッ ナイ』ときこえ、決して語尾のtは聞こえない。さらに、「ありがとう」は日本でいうような「サンキュー」ではなく、『タンキュウ探求』と聞こえるのだ。親しい仲間同士での挨拶では、『ハウ ゼ!』というが、これはHow is it?(元気かい?どうだい?といった意味で、それこそ「いま何時ですか」のWhat time is it now?は、『掘ったイモ いじるな』なのである。Manjiro_1

 小さなこどもや帰国子女が流暢な発音でしゃべる英語に感心するが、まさに、ジョン万次郎式の「耳から覚えた」生きた英語なのだ。最近では、会話を取り入れ、ヒヤリングを重視する授業もふえてはいるが、日本の英語学習法に一石を投じるのが、ジョン万次郎の単語集ではないだろうか。

(写真:土佐清水市の観光パンフレット・マップより転載)

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コメント

たろべえさん

ジョン万次郎の英語の話、なかなか興味深く拝見しました。耳え覚えた英語会話なのですね。なんだか学校教育の英語の勉強方法も見直ししないとダメですね。最近ではヒヤリングの授業やテストもあるらしいけど。

投稿: 通りすがりの旅人 | 2007年5月 1日 (火) 18時53分

通りすがりの旅人さん

毎度、コメントありがとうございます。
耳から入ってきた英語なので、即ち生きた会話ですね。

 ところで、いま幕末の遣米使節や遣欧使節のことを調べています。おもしろいネタがあれば、またブログで発表します。

投稿: もりたたろべえ | 2007年5月 2日 (水) 18時25分

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