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【にっぽん 旅の文化史】《旅籠の宿泊料金》は、1泊2食付でいくらか?

 旅に出て旅館に泊る。宿泊料金は、やはり関心事である。もちろん宿のランクによってもかなりの差があるのはいうまでもない。はたして、江戸時代の《旅籠》では?

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『江戸の旅文化』神崎宣武著(岩波新書2004年)では、

夕食と朝食付きで200文が相場、現在の8,000円くらい(の金銭感覚だろうか)

夕食は、全体につましい。標準は、飯・汁・香の物以外は、椀と皿が一品ずつ。メニューは、「椀」:大平椀または菓子椀と呼び、「野菜や山菜の炊き合わせの平椀」に「皿」:煮魚か焼魚がつく。(魚はお頭つきではなく切り身)

『伊勢詣と江戸の旅―道中日記に見る旅の値段―』金森敦子(文春新書2006年)では

江戸時代の旅は自分の足が頼り。成人男子1日平均10里、江戸から京都まで126里6丁、12泊13日が基準という行程で、普通の宿場に泊った場合、食事は、例として

夕食:魚の塩焼き、なます(酢の物)、豆腐の汁、麩・蒲鉾・青菜の煮物で

1泊2食付200文で約1,800円、一汁三菜といったところ。

(参考に大工の手間賃1日350文で約3,150円、1両60,000円、1文9円で換算)

『江戸の旅』今野信雄著(岩波新書1986年)によれば、

旅籠代 1泊2食つき、上宿で172文から300文(約1,700円から3,000円)が相場。

米価1両は6貫文で6,000文、江戸後期、1両で買える米は、1石(100升)、一升が60文だから、現代米価で換算すると、一升が約600円として100文は1,000円、1文は10円位の見当)

 それならば、旅行費用は総額でいくらになるのか。旅籠代(宿泊代)のほか、江戸から片道12日の伊勢詣としても、往復で4両、約240,000円が基本ベースであったそうだから、お伊勢さんは一生に一度の大旅行に違いない。細かい話だが、宿屋では、夕食時に飲む酒代1合30文(約300円)。そのほか、昼食茶店:70~80文で約700~800円、

三日に一度(髪の毛を)剃る月代(さかやき)に30文。橋のかかっていない川越も水量次第で高くなるが、基本の大井川は、203文(2,000円)、安倍川は馬賃込みで500文(5,000円)。草鞋(わらじ)代1足16文(160円)、三日に1足が必要だった。道中、

寺社のお守りやお札代、案内料(拝観料?)もかかる。その他:按摩に薬代、それからたくさんの餞別をもらっているため、土産代。したがって、旅行費用については、次の機会に詳しく検証してみたい。

イラストは小田原宿の旅籠の食事を再現したもの。飯(ゆかり)、汁、煮物(いんげん、筍、生揚げ)、皿は焼魚・付合せの野菜・梅干、真中に蒲鉾2切れ、手前にはイカの塩辛。(イラスト:たろべえ)

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コメント

たろべえさん
旅籠の宿泊料金は1800円ですか。安いのか高いのかよくわかりません。食事もそう悪くはないとおもいます。今の旅館のような豪華な品々は ある意味で当たり前になっていますが実際は宴会になればほとんど箸もつかないことも多いのです。江戸時代を見習うことも必要ではありますまいか。

投稿: 通りすがりの旅の人 | 2007年11月30日 (金) 22時41分

お伊勢参り、江戸からは片道12日、往復で24万円ですか!
旅は、費用がかかりますが、いつの時代も魅力的なものであることには変わりないですね。

たろべえさんのイラスト、お上手ですね。

投稿: Cojico | 2007年12月 2日 (日) 15時18分

Cojicoさん
退院されたのですね。
よかったです。あたたかいコメントありがとうございます。

しばらくは江戸時代の旅ネタを書こうと思っています。

投稿: もりたたろべえ | 2007年12月 3日 (月) 09時26分

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