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やさしさを求めて リアリズムの画家《アンカー》

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 東京渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の《故郷スイスのぬくもりアンカー展》に行った。日本ではじめてともいわれる、スイスの画家・アルベルト・アンカーの回顧展ともいうべく、102点が展示されていた。

 アンカーについては、2006年9月9日付のこのブログでも紹介した。

【スイスの国民的画家 アルベルト アンカー】

http://tabikoborebanashi.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_1821.html

“アルベルト・アンカー(Albert Samuel Anker 1831~1910)、スイスでは有名な画家だが、日本ではほとんど知られていない。美術館巡りのツアーで行った、ベルン美術館やバーゼル美術館そしてヴィンタートゥールの「オスカーラインハルト・コレクッション」で出会った。恥ずかしながらスイスに行ってはじめて知った画家だ。

 農民やこどもたちの姿を写実的に、しかしフランドル(オランダ)絵画のような落着いた色彩で描く作品が多い。“

 会場や図録では、アンカーを「写実主義」として紹介している。写実だとそのままだが、英文では「リアリズムの画家」、「ヒュマーニズムあふれる画家」といった表現がされている。確かに小さなこどもたちに対する、アンカーのやさしさや愛おしさが、至るところに感じられる。何度も描かれたおじいさんやおばあさんもよい。

 今回はじめて知ったが、アンカーは静物画も残していた。ティーカップや酒ビンとグラスといった、生活感あふれるものだ。そのほか、水彩画や素描の木炭画や鉛筆画も何点かあった。おもけに陶器に絵付けをしたものもあった。これらは、新発見。

 しかし、やはり油絵は、本物を見るに限る。絵の具の塗り重ねやヘラで細かく剥ぎ取る作業がわかる。それにしても、繊細だ。とくに女の子の髪の毛や髪飾りのリボンの色彩は、すばらしい。なんといっても、アンカーのこどもや老人に対する「想い」が、観賞する人々に「癒し」を訴えるものだと思う。スイスのベルンやヴィンタートゥールの美術館で見た作品もあったが、これだけのアンカー作品に出会うとは思わなかった。

 この展覧会(東京のあとは、郡山や京都を巡回する)をきっかけに、アンカーがもっともっと知られることを望む。久々に満足の展覧会であった。

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コメント

先日、やっと見てきました。
ほんとに美しく丁寧で優しい絵ばかりでしたね。
彼の描き出す”静かな時の流れ”、いいですねえ。
子供達の可愛い真剣な横顔、おじいさん達との穏やかな時間など、見ている私達もいつの間にか微笑んでいました。
スイスの人たちに愛された理由が今よく分かります。

投稿: Cojico | 2008年1月19日 (土) 20時35分

Cojicoさん、やさしいコメントありがとうございます。

アンカー展は、あなたに教えていただいたので本当に感謝しています。もっともっと日本の方々に知っていただきたい画家です。

投稿: もりたたろべえ | 2008年1月22日 (火) 10時45分

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