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【にっぽん 旅の文化史】《旅行用心集》その4

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 《旅行用心集》は江戸時代の書物らしい箇所もある。旅のお守りとしての記述だが、いまでは迷信とも思われるものもある。中でも興味深いのは、《白澤の図》(はくたくのず)である。

 此(この)白澤(はくたく)の図を懐中すれば、善事をすすめて悪事をしれぞけ(退け)、山海の災難、病患(びょうく病苦)をまぬがれ、開運昇進の祥瑞(しょうずい)あること古今云伝(いいつた)ふる所也。因而(よって)旅中は最尊信(もっともそんしん)あるべし。

Photo  旅にこの図を懐(ふところ)に入れて持ち運べば、良いことを進めて悪いことを退ける。数々の災難や病苦から免れ、開運アップ間違いなし。旅行中は、大切に信心すべきといった内容だ。

 「白澤」は中国から伝わった神獣だそうだ。深山に住み、角(つの)が生え、通常の目のほか、額に1つで顔全体に3つ、胴体に6つと、合計で9つの目を持っている。9つも目を持つのは、世の中を注意深く見守るという意味とのこと。

この白澤は、日光東照宮の拝殿の内部にも描かれている。実際に見たことがあるが、狩野探幽作で、こちらは「龍」のように力強い。

“顔は人間的で、首から顎にかけて白く長い毛が伸び、頭には二本の角がはえ、背中には瘤(こぶ)があり、両脇から炎が出ている。(中略)東照宮の拝殿の左右に、いわば善政のシンボルでもある「麒麟」と「白沢」が描かれた。これらの霊獣のもつ意味は、家康が大名たちにも「麒麟や白沢が出現するような政治を心掛けよ」との政治理念を表したものといえよう。” 『日光東照宮の謎』高藤晴俊(講談社現代新書)

Photo_3 さらに江戸時代の「和漢三才図会」にも、白澤の図が描かれている。この霊獣は、帝が

東海に行った折、現れ、帝は、白澤のアドバイスにしたがって、世のため民のため、害を除いた。白澤は、王の政治に過ちがあれば、これに忠告する。しかし、その忠告に耳を貸さない王の時代には姿を隠してしまうという。

Photo_2

 なんとなくユーモラスな《白澤》。今後は、添乗に出る時には、懐に入れて持っていこうと思う。(参考:『謎と不思議 東照宮再発見』高藤晴俊著)

中:旅行用心集、下左:東照宮、下右:和漢年代記集成より

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