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【にっぽん 旅の文化史】《旅行用心集》その5

 用心集を読んでいると、なかなか興味をひくイラストのページがある。毎度おなじみの「陰陽五行説」に基づく《五岳真形図》である。

中国の道教では、各方位に位置する、つぎの五山が聖山(霊山)とされる。すなわち、自然現象を構成する五大要素に対応する。

木:東岳泰山、火:南岳衡山、土:中岳嵩山、金:西岳華山、水:北岳恒山

これらの図をもつことにより、数々の効用があるそうだ。山岳信仰では、修行のため深山に分け入るが、《五岳真形図》を携帯すれば多くの難を逃れる「霊符」、つまり霊験あらたかなお札(お守り、護符)となるという。修行者が「仙人」になるために修行する霊山には、毒虫や猛獣をはじめ、妖怪、そして天変地異などの様々な危険があった。

 五岳については、つぎのように説明されている。

■東岳泰山:無病長命となる。願望一切が成就する。

■南岳衡山:あらゆる妖魔や鬼神が恐れて近づかず、占星術の悪運を打ち破り、雷、台風、大雨などの天災から逃れる。

■中岳嵩山:地神の祟り(たたり)を受けず、病気や災難を蒙ることがない。運気があがる。

■西岳華山:金銀財宝が集まり、金運に恵まれ、喜びごとが絶えない。

■北岳恒山:龍神の守護のもと海・川など、海難事故や水難事故にあわない。

 《旅行用心集》では、“五岳を尊ぶ思想は、中国の舜典?に始まり、その後の日本や中国で受け継がれてきたという。人が山坂をこえたり海・川を渡るとき、この《五岳真形図》を身に付けていれば、風や波の苦労もなく寿福をもたらす、しるしとなる”と記述されている。したがって、旅の「お守り」と考えてよいと思う。

 中国の道教から日本の神道へ受け継がれていった五岳の思想が、庶民の旅にとっては

わかりやすい「お守り」という、解釈になった。

(作図:たろべえ)

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