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《玉くしげ》を読む【その14④】木賀温泉

 長い長い一日の4月25日も、なんとか木賀温泉に到着。「亀屋」に投宿した。B

 木賀は、宮城野の里のうちの字(あざ)也。谷の行きどまりにて、湯宿の三軒の外、家はなし。三軒のうち、わきて亀屋は手広なれば、湯客も多くつどへり。奥の八畳のひとまをかりて休むに、火鉢に炭火つみてもてきたれり。

 「亀屋」が一番大きな宿でお客さんも多かった。この時期なのに冷えるだろうか、宿の人が暖をとる火鉢を持ってきた。そのうちに雨が降り出し、やはり寒くなってきたので、火に手をかざした。つぎに湯に入るが、ぬるい。夕食が運ばれてきた。こんな山の中なのに「海のもの」が出た。(興ざめだ)それからこの湯宿の前を谷川が流れていて、雨で増水したのか、川音が非情にうるさい。宿では「マムシ」が出たと大騒ぎ。雨はいよいよ強くなり、谷川の音もひびき、この山里の夕暮が、どうも身にしみてせつなくなってきた。

 日が暮れてきたので、再び湯浴みをする。風呂に行くと、湯船が狭く感じるほど、男も女も入浴していて大混雑だ。話をすれば、ほとんどが江戸からの湯治客であった。

 宮城野や木賀のいでゆの滝の糸にひかれてぞくるよもの国人

 そんな歌を口ずさみ、夢を見ようと寝床に入った。ところが「蚤」が多くて熟睡はできなかった。やれやれ、この宿は、正興一行には、最悪であったようだ。

さて 『旅行用心集』によれば、木賀温泉の効能等はつぎのとおり。Col01_kiga01

効能:手足の麻痺、筋骨の痙攣(けいれん)、頭痛。痰づまり、打撲、肉離れ、くじき、通風など。〔単純温泉・アルカリ性単純温泉 神経痛、関節痛、冷え性〕

 木賀温泉の湯宿三軒には、それぞれ温泉に名前がついていた。須川の橋を渡った奥の亀屋には「上湯」、柏屋には「大湯」と「菖蒲の湯」、そして仙石屋には「岩湯」があった。お湯の熱さは、岩湯が一番熱かったようだ。幕末や明治初頭の木賀温泉の写真から想像し、この湯治場の湯宿の配置をイラストにしてみた。広重の描いた「木賀」の様子とは、かなり違う。(これは広重が、かなりデフォルメしているためだ。)

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