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《玉くしげ》を読む【その14①】関所、箱根へ到着

4月25日続き

《玉匣両温泉路記》(たまくしげ・ふたつ・いでゆ・みちのき)は、いよいよ箱根での「湯治」に入る。熱海から三里、箱根の宿まで二里の、伊豆と相模の国の「国境」から芦ノ湖を見下ろす。またしても「海」か、と下り坂を行く。湖畔で漁をする小船を見かけ、訪ねると《腹赤》(はらあか)という魚がとれていた。江戸では「ウグイ」といい、沼田では「クキ」という魚だ。Photo_3

下り坂を行くと、箱根の「関所」である。Photo

名のらずしてこえたり。関の定め、出るをばおごそかに改め、手形てふものあらざれば通さず。入るはゆるがせなり。前後に甍(いらか)ふきたる門あり。番所は湖の方にあり、向かいにも小さき番所あり。下司(げす)の住むと見えたり。

箱根から三島に向かう場合には、関所でもきびしい取調べがあったが、今回のような逆ルートで、しかも正興と光興は譜代大名(上州沼田藩土岐氏)江戸上屋敷詰の武士である。往来手形(通行手形)と関所手形を提示するだけで簡単に通過したようだ。

ところで最近、《箱根関所》がリニューアルされ、復元工事が完成し、江戸時代そのままに公開されている。(神奈川県市足柄下郡箱根町箱根1番地)ここ関所の高札を見てみよう。

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一 関所を出入(いでいづ)る輩(やから)笠頭巾をとらせて通すべき事

一 乗物にて出入る輩 戸を開らかせて通すべき事

一 関より外に出(いづ)る女はつぶさに証文に引き合わせ通すべき事

附(つ)いては、乗物にて出る女は番所の女を指し出し相改(あいあらた)むべき事

一 手負い死人並びに不審成るもの証文なくして通すべからざる事

一 常上の人と諸大名の往来かねてより其の聞えあるにおいては沙汰に及ばず

もし不審あるにおいては誰人によらず改むべき事

右の條々相まもりべきもの也

よって達件(たつくだん)の如し (正徳元年(1711)五月 奉行)

とくに武士の場合は、各大名家が、関所手形に押す藩主の角印をあらかじめ番所に届け出ており、各人が持参した手形(和紙に書かれたもの)に押印されているもと照合したそうだ。何はともあれ、無事に箱根宿に到着した一行、心もときめいてきた。(写真:たろべえ撮影)

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