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江戸時代にもあった《貸切風呂》

 

 江戸時代に書かれた箱根のガイドブック《七湯の枝折(しおり)》によれば、この時代にも『貸切風呂』があった。混浴があたり前の時代に、《幕湯》といって、「是(これ)は己(おのれ)入らんとする時、幕をはらせて余人をいれざるなり」と解説がある。つまり、浴室の入口に「のれん」のような布をかけ、他人を入れない「貸切」にしたことを意味する。By_2

 このブログでも紹介した「箱根芦之湯」の風呂に「小風呂」として描かれている。

“幕湯の時は此湯口へ のれんをかくるなり”と説明書きがある。これは、温泉場で湯宿の中にある「内湯」にではなく、宿の外にある総湯、つまり「共同浴場」の利用方法であった。たとえば芦之湯の場合、『七湯の枝折』にあるように、温泉場の真中にあった総湯の「小風呂」を貸切にしたい場合、各湯宿に依頼して、その宿の「のれん」を入口にかけ、ある一定の時間、使用したようだ。

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 ところで「貸切風呂」の料金だが、現代の温泉旅館では、おおよそ40~50分で2,500円から3,000円程度だ。もちろんカップルや家族での利用が多い。江戸時代の箱根では

『七湯の枝折 神習文庫本』に「七湯価附」(料金表)が記載されていて、「幕湯」は、

「一廻り(1週間)、金壱分」である。一両を60,000円とした場合、一分は1/4両だから約15,000円となり、1日あたり2,150円程度だ。となると、現代とあまりかわらない。

 参考にこのほかの料金について紹介してみよう。

○旅籠一人前(1泊2食付)・・・弐百文(約2,000円)※布団、浴衣含まず

○同一廻り(1週間)一人前(ただし布団代含む)・・・金壱分弐百文(17,000円)

○夜具代一廻り(1週間) 夜着(浴衣)・・・弐百文(約2,000円)

○  〃         布団・・・百文(約1,000円)

この他、朝夕の食事を自分たちの好きなものを調理する「賄い婦」を頼む場合・・・

一廻り(1週間)・・・四百文(約4,000円)

 江戸後期の旅籠代は、どうやら1泊、弐百文(約2,000円)という協定価格が決まっていたようである。

 さて、「貸切風呂」は他人が入ってこないわけだから、たとえば体にハンディキャップのある人がのんびり入浴したい場合などは、いまも昔も十分、便利であったと思われる。もちろん、高くてもよければ、現代は「露天風呂付客室」もある。

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