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江戸時代の屋台《東都名所高輪廿六夜待遊興之図》解説その3

 いよいよ屋台の花型、「二八そば(蕎麦)屋」が登場。

Sobaya_2           二八そば屋

赤い行燈(あんどん)看板には「二八そば」に続いて「うんどん(うどん:饂飩)」あるいは「けんどん(慳貪・検饂)」と読める。

 この「けんどん」というのは、一杯いくら、盛り切りでおかわりなしという売り方である。けんどんは、①けちなこと、②愛想がないこと、③江戸時代、そば、うどん、めし、酒などを売るとき一杯ずつ盛りきりにしたものだ。また、現代でも出前に使う「おかもち」(そば・うどんを入れる箱)のフタを意味する言葉でもあったそうだ。(漢字では巻飩と書く)けんどん→盛り切り→「もりそば」の語源らしい。ちなみに『つっけんどん』もこのけんどんから来ている。よほど江戸時代のそば屋は、商売下手で愛想がなかったといことだろうか。

 さて現代でも主流の「二八そば」は、①つなぎの小麦粉等が2割・そば粉8割という原料配分に由来する説と②2×8=16(にはちじゅうろく)で当時、そばは一杯16文(およそ160円~240円程度)という値段を意味する説があるようだ。

 また当時は、そばを茹でないで、蒸していた。いわゆる「せいろ」である。基本となる16文のそばだが、これはせっかちで気の短い江戸っ子が、いちいち「つゆ」につけるのも面倒だと、つゆをそばに“ぶっかけ”て、食べたことから「かけそば」と呼ばれるようになったそうだ。

Sobaya_andonaka

 そば屋のメニューだが、かけそばのほかには、つぎのようなメニューがあった。「しっぽくそば」:玉子焼き・蒲鉾・椎茸・くわひ・鶏肉入り(24文)。「あられそば」:青柳(バカ貝)の貝柱をのせる(24文)。「天麩羅(てんぷら)そば」:芝エビの天ぷらをのせる(32文)。「花巻そば」:浅草海苔をかけた(24文)。(参考:『守貞謾稿』)

Soba_taberuhito

蛇足になるが、そばの栄養成分は称賛に値する。ビタミンB群や良質のタンパク質のほか、老化を防ぐビタミンE、血圧を下げ動脈硬化や脳いっ血の予防効果のあるルチン、肝臓を守るコリンなどが含まれており栄養価の高い食べ物。また食物繊維は白米の2.5倍もあり、便秘にも効果があるようだ。(現代人はもっとそばをたべないと・・・)

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