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江戸時代の屋台《東都名所高輪廿六夜待遊興之図》解説その5

■ 冷水(ひやみず)・水売り(白玉売り)

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 冷水売りだが、看板には「瀧水(たきみず)」とある。いかにも冷たそうで

おいしい水を連想させる。

『守貞謾稿』によれば、冷水(ひやみず)売りの項に「夏月、清冷の泉を汲み、

白糖と寒晒粉の団(団子)を加へ、一椀四文に売る。求めに応じて八文・十二文

にも売るは、糖を多く加ふなり。」とある。夏の時期に泉の水をくみ上げ冷水に

砂糖や白玉団子を入れて売った。(白玉売りともよばれていた)

 この冷水売りは堀抜井戸の冷たい水を仕入れて、左右(前後)二つの桶に入

れて天秤で担ぎ、前の桶には錫(すず)や真鍮(しんちゅう)など、金製の茶

碗や、砂糖や白玉団子を入れた屋台と、看板には滝水とか冷水と書いていた。

一杯4文(40~60円)で、砂糖や白玉の量によって8文(80~120円)から12文

120~180円)で売っていた。確かに金属製の容器で飲むと、冷たい感じがした

のだろう。

 江戸は埋立地が多く、浅井戸の水には塩気があり決して水質はよくなかった。

地中深く掘る堀抜井戸からは冷たい清水が得られたが、井戸を掘るのには高額の

費用がかかった。一般の江戸市民の飲料水は、神田上水、玉川上水などからの水道

管で供給されており、はじめは水路で、市街地に入ってからは地中に埋設した木製の配水管で給水していた。配水管の随所には水を溜めた水道井戸があり、庶民は釣瓶(つるべ)で水を汲み上げて使っていた。この水、夏はなまぬるく、ごみもまじっていたようで、そのため、夏場には冷水売りが繁盛したともいわれている。 

       寿し屋 

Sushiya_3

江戸時代の「握りすし(鮓)・握り寿司」は、おおむね8文(約80~120円)。

ただし、タマゴ焼きは高価で16文(約160~240円)といったところだ。だから

庶民がちょいとつまむには手頃であったし、その1個(1貫)の大きさも現代の

倍という話もあり、2、3個で事足りた。付合せのガリ(生姜)もある。「姫蓼

(ひめたで)」という花をつける食用の植物もあったらしい。

さて、寿司については、以前、このブログで詳しく紹介したことがある。(参照してほしい)

【江戸 食の文化史】《寿司・鮨・鮓・すし》

 

※近世風俗史の決定版といわれる書物に《守貞謾稿(もりさだまんこう)》が

知られている。岩波文庫から『近世風俗志(守貞謾稿)』と題して、全五巻本

で出版されている。最近の江戸文化を扱う書物には、必ず参考文献として登場

するほど、江戸時代(後期)の庶民の文化について詳しく書かれたものだ。天

保八年(1837)から30年間を要して書かれた、まさに「百科事典」。喜田川守

貞著。

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文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

いやーッ!大した企画ですね。
私もこうした事には意欲的ですが森田さんには頭が下がります。
マスコミ関係か、アーティストの感性があると思います。
私は逆にアーティストとしては大成出来なかったですがあなたのように眠っている才能は惜しい。
私はあるアパレルメーカーでデザイナーをしていた時に社長に、一デザイナーよりもコーディネーターに向いていると言われそれから会社を興しました。
私の周りにも多くの眠れる才能の方が存在します。世の中は上手く回らないものですね。尊敬します。

投稿: bunsan | 2011年7月19日 (火) 08時47分

bunsanbeer
多大なる称賛をいただき、ありがとうございます。若い頃は、作曲して歌っていました。漫画をかいていたこともあります。なかなかアーティストにはなれませんでした。

文章を書くことと読書は好きですが、マスコミの世界で食べていけるほどの力量はないと思います。あくまでも趣味です♪

投稿: もりたたろべえ | 2011年7月19日 (火) 20時49分

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