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《日光街道》宿場を歩く【粕壁宿】

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 粕壁は現在の埼玉県「春日部」市である。越谷宿からは二里三十町、約11.1kmだ。江戸からの距離は九里二町、約35.6kmとなり、江戸を出発して日光街道を歩く旅人には、この4番目の宿場「粕壁」宿が最初の宿泊地となることも多かったようだ。(江戸時代、人々は1日に十里、約40km近くも歩いたそうだ)

 宿場は南北十町ほど約1.1kmにわたり、家並みが続き、天保14年(1843)には家数773軒、人口3,701人、旅籠は45軒であった。(天保14年『宿村大概帳』)

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 東武線「春日部駅」で下車。まず「春日部市郷土資料館」へ行く。常設展示・春日部のあゆみの中で、日光道中「粕壁宿」の展示がおもしろい。宿場の模型もよくできていて、雰囲気がわかる。熱心に模型に見入っていたら、資料館の係りの女性から「粕壁宿歴史マップ」をいただいた。思いがけない親切に元気が出てくる。

☆春日部市郷土資料館

住所:春日部市粕壁3-2-15(春日部駅東口から徒歩10分)、TEL:048-763-2455

開館時間/09:00~16:45(月曜・祝日・年末年始は休館) 入館:無料

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 さて、粕壁宿の入口近くには東陽寺がある。『おくのほそ道』の松尾芭蕉と弟子の曽良が宿泊したと伝わる寺である。日光街道に面した山門には、「伝芭蕉宿泊の寺」の石碑があり、境内には曽良の「随行日記」の一部が碑文に彫られている。芭蕉が実際に宿泊したかどうか、確証はない。きれいに清められた立派なお寺だ。

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■東陽寺

住所:春日部市粕壁2-12-20、曹洞宗。寛永9年(1632)開基。境内に「廿七日夜 カスカベニ泊ル 江戸ヨリ九里余」と曽良の随行日記の碑。

 この春日部で芭蕉が宿泊したとされる場所は、もう一か所ある。粕壁宿のはずれにある小渕山観音院である。訪ねてみると、2011年3月の東日本大震災の影響で由緒ある仁王門が崩壊寸前で立入禁止となっていた。仁王門を迂回して境内に入る。芭蕉の句碑がある。「毛のいへば(ものいへば)唇寒し 秋の風」。これは元禄4年(1691)芭蕉49歳の句で、『おくのほそ道』の旅は元禄2年だから後世に建てられたものだ。しかし、江戸時代の芭蕉文学の解説書『諸国翁墳記』に、「はせを墳 日光道中粕壁杦戸間小□村観音仁王門前 葛飾老茹□四世不干建」とあるそうだ。(芭蕉の碑が、日光街道の粕壁の小口(小渕)村の観音仁王門前に、葛飾の老いた茹□四世が建立したとある)

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■小渕山観音院(小渕山正賢寺)

住所:春日部市小渕1634、本山修験宗。鎌倉中期の建立。元禄期には円空が滞在し円空仏を七体残したと伝わる。

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 粕壁宿には、商家造りの「東屋田村家」と慶長年間創業の米屋「永嶋庄兵衛商店」の土蔵造りの建物が残っている。田村家の前には、天保5年(1834)の道標があり、東江戸、北日光、西南いはつき(岩槻)と彫られている。

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 日光街道粕壁宿の突き当たりには最勝院がある。日光に運ばれた徳川家光の遺骸が一時安置された由緒ある寺だそうだ。

■最勝院(華林山慈恩寺)

住所:春日部市粕壁3-9-20、真言宗智山派。寺町と呼ばれた地域にある。本尊は千手観音。南北朝時代の地頭・春日部重行を葬ったとされる墳丘が、本堂の西側にある。

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 日光街道は、最勝院から少し戻り、粕壁宿の絵が描かれたトイレの前を過ぎ、新町橋で古利根川を渡る。このあたりは、川の水運で江戸との物資の交流があった。しばらく行くと、関宿往還との追分(別れ道)があり、2つの道標がある。大きい石には、左日光道(宝暦4年1754)とある。小さい石には、右方・せきやど道、左方あふしう道(奥州道)とあり、宝永6年(1709)のものだ。左側の道を歩き、国道16号を渡って直進すれば、小渕山観音院がある。

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 かなり歩くと、農村地帯に入り、九品寺がある。まもなく杉戸宿である。この境内に日光街道の道しるべが残っている。庶民の庚申信仰を示す「青面金剛」が正面に刻まれ、右江戸、左日光と彫られている。天明4年(1784)のものだ。

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☆ぷらっとかすかべ

春日部駅東口から徒歩3分の場所に春日部情報発信館がある。春日部の観光情報、タウン情報などや地元の名産品を販売している。パンフレット類も豊富にそろえてあり、係りの女性も親切に応対してくれる。日光道中粕壁宿めぐりのボランティアガイドの受付もおこなっているという。

住所:春日部市粕壁1-3-4、TEL:048-752-9090

開館/09:00~16:30(月曜・年末年始休館)

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コメント

えーっ 春日部ってこう書くんですか? つかてことは お酒とも関連している?のですかね? にしてもきれいなお寺 神社が沢山ありますね

投稿: ikkun | 2012年1月10日 (火) 15時56分

春日部は「粕壁」と書いたんですね。お酒に関係があるのかどうか、わかりません。でも地酒はあってもおかしくないのですが・・・。勉強不足ですみません。

投稿: もりたたろべえ | 2012年1月10日 (火) 18時20分

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