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《日光街道》宿場を歩く【徳次郎宿】から【大沢宿】へ

 まもなく【大沢宿】、杉並木寄進碑がある。

◆杉並木寄進碑

寄進碑の碑文にはつぎのように刻まれている。

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下野国都賀郡小倉村、同国河内郡大沢村、同国同郡大桑村、この三箇所より日光に至る、20余年の間、街道の左右ならびに山中10余里に杉を植え、もって東照宮へ寄進奉る

慶安元年(1648417日 松平正綱

 杉並木街道とは、日光街道・例幣使街道・会津西街道の三街道の全長37kmの両側にわたって約12,500本の杉がそびえる「日光杉並木街道」である。世界一長い並木道としてギネスブックにも掲載されているこの杉並木は植栽されてから、実に387年が経過している。日本で唯一、特別史跡と特別天然記念物の二重指定を受けている貴重な文化

遺産だ。

杉並木は、徳川家康の忠臣・松平正綱が日光東照宮に寄進するため植栽したもので、寛永2年(1625)頃から23年余りの歳月を費やした一大事業であった。植栽された杉は約20万本と推定される。栃木県教育委員会文化財課の調査によれば、平成204月現在、12,477本が現存している。

 なぜ松平は街道沿いに杉を植えたのだろうか。家康への恩義の念で、おそらく街道を日光東照宮の参道に見立て、おごそかな雰囲気を演出するために杉を植えたものと思われる。熊野杉(現在の和歌山県熊野)の苗を現地から取り寄せ、植え続けたのである。

寄進碑にある「慶安元年417日」は、家康の33回忌にあたる。植栽を終了した日だ。そして松平正綱は、この碑文を林羅山に書かせたが、完成をみることなく慶安元年6月に亡くなった。

 松平正綱(天正四年1576~慶安元年1648)は、近江出身で元禄元年(159216歳から家康に仕え、近習筆頭人、勘定頭など、側近として重用された。家康の臨終に際しても、遺言を聞き、久能山埋葬から日光改葬、2代将軍秀忠の日光社参などにも同行した。その後、嘉永二年(1625)に22,100石の大名となり、相模玉縄藩を領した。その後、3代家光にも仕えたが、一時失脚もした。しかし生涯、家康の側近であったことは変わることがなく、杉並木を植え続けた姿勢は実にすばらしいと思う。

Photo_2 

 江戸時代、並木は日光奉行の管理下にあり、手厚く保護されていた。杉の枯損木や根返りがあると、村役人は奉行所に必ず届けた。そして、役人の実地検分の上、伐採許可の印が根元に付けられ伐採された。さらに、伐採した杉は奉行所に搬送し、その跡に苗木の植え付けなどが義務づけられていた。また、街道筋の村々には、道普請や下草刈り、並木敷き内の清掃なども課せられていたのであった。

 明治政府の近代化政策で、全国で土木工事が行われるようになり、この地域でも、道路の屈曲を直すために倉ヶ崎・大桑間で約1,000本の杉並木が伐採された。また、井上大蔵卿の発言から始まった財政再建のために杉並木の全伐が実行されようとしたが、貴重な文化遺産を支持する、時のイギリス公使バークスの進言によって難を逃れることができた。

 明治38年、杉並木は国から日光東照宮に「下げ戻し」となり公共的利用を目的に保護されることになる。第2次世界大戦時、戦艦用材として全国的に老木・巨木の供木運動が行われ、杉並木も伐採の危機に直面したが、多くの反対意見が輩出し、2本の供木だけで免れた。1992年版のギネスブックに掲載されてから、世界でもっとも長い並木道(Longest Avenue)として、世界中に知られるようになった。世界一長い並木道は、今市地域に集まる3つの街道からなっている。この並木道は、「日光杉並木」として知られている。

 総延長は35.41km22マイル)、日光街道16.52km10.27マイル)、例幣使街道13.17km8.18マイル)、会津西街道5.72km3.55マイル)で構成されている。

これは現存している並木杉の端から端までを測ったもので、通常は、杉並木寄進碑から寄進碑までの距離を合計した約37kmと紹介されている。

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