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《ちょっといい話》韓国に修学旅行に行った在日韓国人の女学生

 【再掲載】大阪に夕陽丘高校という学校がある。弊社の大阪教育旅行支店で韓国への修学旅行を実施している。実は昨年、ちょっといい話があった。韓国の「朝鮮日報」に紹介された記事(日本語訳)をそのまま紹介したい。Photo

※2007年9月に発表しやものですが、いまでも反響が多いため、問題提起といういう意味で再度、掲載します。

 「韓国というすばらしい祖国を持ったことを誇りに思います。まだ、韓国人であることを知らない小学校3年の妹も、私のように、韓国人であることを誇りにして、生きて行ってほしいです」。

 27日、韓国観光公社が主催した韓国修学旅行感想文大会の表彰式で、『故郷への旅行』という感想文で大賞を受賞した日本大阪市夕陽丘高校2年、安井佑佳(16/韓国名:趙佑佳(チョウ・ウガ)さんは、受賞後、感想を述べながら大粒の涙をこぼした。

 佑佳さんは初め、修学旅行先が韓国だということを知り、自分が韓国人であることが“ばれる”のではないかと、心配した。他の友人たちは赤い日本旅券を持っていたが、自分が持っているのは濃い緑の韓国旅券だったためだ。

 佑佳さんが初めて自分が韓国人であることを知ったのは小学校2年の時。大阪で在日同胞の公演行事が開かれたが、担任の先生から「君も韓国人なのだから、参加してみてはどうか」という話を聞いたのである。

 佑佳さんの祖父は済州(チェジュ)道出身で、日帝により強制徴用された。日本で生まれた父の趙安秀(チョウ・アンス/48)さんは、娘に韓国人であることをあえて話そうとはしなかった。

 韓国人だという理由で不利益を受けることが過去に比べては少ないものの、自然に明かすほどでもなかったのだ。佑佳さんは何の疑いもなく自分を日本人と考えていただけに、ショックは大きかった。

 「何で私は日本人ではないんだろう」。佑佳さんは韓国人だということが恥ずかしかった。大きくなるにつれ、日本人になりたいと思った。友人にも自分が韓国人であることは話さなかった。しかし、佑佳さんは韓国で過ごした修学旅行の4日間、心の扉を開いた。

 修学旅行の初日、西大門(ソデムン)刑務所で、過去韓国人が日本人にやられたことを展示してあるのを見て、「私の祖先もこのような惨い仕打ちを受けたのかも知れない」と考えると、止めど無く涙が流れた。

 姉妹縁組を結んでいる仁川(インチョン)女子高の生徒たちや旅行会社のガイドさんに旅券を見せて韓国人であることを話すと、さらに暖かく接してくれたことも力になった。

 佑佳さんは「生まれて初めて韓国国籍を持ったことを他人に認めてもらった」と感じたという。

 この日、表彰式に出席した父の趙安秀さんは「娘が高校を卒業する前に帰化しようと決心していたが、修学旅行に行ってきた娘が韓国人であることを誇りに思い、放棄した」と話した。

 佑佳さんは受賞後、「韓国人であることが誇りに思えるようになった。私の韓国名、『チョウ・ウガ』がとても好き」と、濡れた瞳で爽やかに笑った。

 在日の人々は、いわれなき差別を受けてきた現実がある。日本で生まれたこの女子高校生は「日本人」として生きてきたが、高校の修学旅行ではじめてパスポートをとることになる。ほかの生徒のもつ日本政府発行のパスポートとは、色が違う。これは旅行業にたずさわる我々も現実に経験する。この子がつまらない差別や偏見を受けないようにと、旅行会社は韓国籍のパスポートをもつ生徒を出国手続きのとき、別の列に並ばせたり、日本の旅券と同じようなカバーをつけたりしたこともある。

 それでも彼女は違ったようだ。韓国人であることを誇りに思ったのだ。人間は肌の色や国籍で区別されるべきではない。今回の問題は、大変重たいけれど、つくづくよかったなあと確信する。

韓国修学旅行感想文大会で大賞を受賞した安井佑佳さん

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コメント

日本で生まれた在日韓国人の方はかなり差別を受けて育ったと思います。それが韓国への修学旅行をきっかけに民族とし自信をもつ事ができて本当によかったですね。早くつまらない差別など無くしたいものです。

投稿: 通りすがりの旅人 | 2007年9月28日 (金) 18時09分

通りすがりの旅人さん

コメントありがとうございました。
本当につまらない差別など、なくなればいいと思います。

投稿: もりたたろべえ | 2007年10月 1日 (月) 17時34分

国籍が違うのだからパスポートの色が違うのは当然だと思うのですが・・・
それが差別だとは言えないと思うのですけれど・・・

投稿: みっち | 2012年10月14日 (日) 10時49分

偶然、通りかかって拝見しました。実は私も在日韓国人(済州出身)なんです。文章を読んでいて、凄く自分と似ていてびっくりです。しかもタメみたいです。なんだか勇気でました!ありがとうございます!(^^)!

投稿: オーマイ | 2012年11月 7日 (水) 01時59分

>国籍が違うのだからパスポートの色が違うのは当然だと思うのですが・・・
それが差別だとは言えないと思うのですけれど・・・

私も同意見です。
なぜこの話になると感情的になるのでしょうね。
差別と区別が日本にいる韓国人達の「独特の感情」で理解できないのかなぁ。

投稿: K | 2012年11月 9日 (金) 18時14分

国境だけでなく「地区」による差別?みたいのも 話は違いますが少し掛かっているのかな?と思いました
人類みな兄弟!となりたいものですね

投稿: ikkun | 2012年11月10日 (土) 12時58分

みんながみんな強くありません。
パスポートの色の違いを用いて彼女の不安と怖さそして孤立からの孤独さが素直に描かれいると思います。
単に国籍による差別というよりも思春期らしい孤独の怖さや不安が素直に感じられました。
賛否両論あるようですが、私も他国に住んでいた時、周りとの小さな違いを大きく感じ、感じなくてもいい恥ずかしさ、不安、孤立や孤独をよく感じたものでした。
--Iidarah

投稿: Iidarah | 2012年11月13日 (火) 23時58分

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